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BSSに恋愛的ハッピーエンドは必要?(BSSのジレンマ)

以前「BSSにハッピーエンドは必要?」という文章を書いた

これは「勧善懲悪的なハッピーエンドは必要か?」という意味だった
そこで今回は「恋愛的なハッピーエンド」について説明したい

これをうまく説明するためには、まず王道のNTRモノ、すなわち彼女や奥さんが寝取られるシチュエーションについて恋愛的なハッピーエンドから理解する必要がある
NTR漫画においては「恋愛的ハッピーエンド」とは何だろうか
それは寝取られた彼女や奥さんが「完堕ち」せずに、寝取られた主人公の元に戻ってくることである。要は元鞘だ

なぜ「完堕ち」がダメかというと

ヒロインが他の男を好きになってしまうと「簡単に他の男を好きになるビッチ」という烙印を押されてしまい、「ヒロインには必ず価値を与える必要がある」という条件を満たさなくなってしまう。完落ちしてしまった作品が駄作化する理由がこれで、ヒロインは読者を納得させるだけの十分な理由がない限り完落ちしてはいけない。

という理由があるからだ

ところが、現実的にはこれまで生まれてきたNTR作品で「安易な完堕ちEND」が使われてしまったケースは多々ある
その結末に落胆した人たちがそこそこいて
「次に生まれる作品はどうか完堕ちだけはしないでくれ。ハッピーエンドにしてくれ」
と訴えかける人が出てくるまでになった
これが「NTRに恋愛的ハッピーエンドを求める声」の正体である

一方で、BSSに「恋愛的ハッピーエンドは必要なのだろうか」という疑問はある
まず、BSSには「完堕ち」の概念はあるかどうか難しい
なぜならばヒロインと主人公は付き合っていないからだ。
「堕ちる」という表現が適切ではない。
「ヒロインが一番好きになった人が別の男性」という表現の方が適切だ

また個人的にBSSの最高峰といえば、bbsacon先生の「スマイル」だと信じてやまないが
「スマイル」では、主人公の元にヒロインは戻ってこない
もしヒロインが最後に主人公と結婚していたら逆にここまでの評価は得られなかったと思う

ここからが非常に重要かつ面白いことなのだが

王道NTRモノの場合、妻や彼女という立場のヒロインが完堕ちをすると、ヒロインの価値が落ちる
しかしBSSの場合、ヒロインが他の男と散々SEXしたあげくに主人公の元に戻ってきてしまうと、かえってヒロインの価値が落としてしまう危険性がある
なぜならば、BSSのシチュエーションにおいては、ヒロインの貞操観念は、ヒロインがライバルの男に処女をささげ、その男とだけSEXし続けている限り、破綻しないからだ
しかし、その後ヒロインが主人公とSEXしてしまうと、ヒロインは複数の男と関係を持つ女性になってしまい、読者の中にはヒロインをビッチとみなすものも出てきてしまう
そうなれば読者から見たヒロインは価値を失い、読者のヒロインに対する気持ちがはなれ、ヒロインと他の男とのSEXで読者が興奮しづらくなる可能性がある


以前、「NTRのジレンマ」を以下のように紹介した

BSSでない作品の場合、彼女や妻が寝取られることになるが、彼女や妻が寝取られるということは基本的には浮気・不倫になる
ところが浮気や不倫をしてしまうと、男性の中には「価値のない女性」「ただのビッチ」と女性を格下げしてしまう人がいる
そうなると、「ヒロインは読者にとって価値のある存在である」という前提が崩れてしまう


しかし、今この記事を書いていて「BSSのジレンマ」という存在もあるかもしれないと思うようになった
もし、「BSSのジレンマ」という言葉を説明するならば、それは以下のようになるだろう

BSS作品においては、ヒロインと主人公は交際していない。ヒロインは彼女や妻ではない。
そのため、ヒロインがライバル男に処女をささげ、ライバル男と性的な関係を結ぶようになった場合、「主人公とヒロインのSEX」が逆にヒロインの貞操観念を乱す恐れがある
主人公とヒロインがSEXをすると、逆に「高嶺の花」というヒロインの価値を下げてしまう恐れがある
よって、ヒロインは主人公の元に戻ってこない方が良い場合すらある
これは王道NTRモノの逆パターンである



よって「BSSに恋愛的ハッピーエンドは必要?」という問いに対しては「基本的には不要」と答えたい。BSSの王道はハッピーエンドにならないストーリーと言えよう。




[今後NTR小説・漫画を描く人のための補足]
もし、皆さんがNTR小説・漫画を描くようになった場合「ヒロインの行動に一貫性を持たせる」ということに力を注いでほしい

NTRの場合、完堕ちすると、ヒロインの行動に一貫性がなくなりやすい
BSSの場合、他の男とSEXをしたヒロインが主人公の元に戻ってくると、逆にそれで一貫性を失いやすい
大抵の読者はその一貫性のなさに憤慨している

大抵の読者は作品を読みながら「ヒロインのイメージ」を作り出している
ヒロインが急に完堕ちしたりすると、これまで読者が築き上げてきた「ヒロインのイメージ」と合わなくなる
最悪のケースでは、ヒロインが人格破綻者に見てしまう
これが作品を台無しにしてしまうので、完堕ちに反発する人が多い

作品を作る場合は、無理にオチを付ける必要はない
オチを付けず、登場人物達がありのまま生きていく姿を描くことを結末としたほうが上手くいく場合もある
そしてその方が続編を作りやすい

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